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無料の最近見た動画の感想や小ネタをいろいろ紹介。NET視聴できるもの中心です。

 
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STAR WARSのまとめ

[STAR WARS episode1~6] PART3

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制作総指揮/ジョージ・ルーカス


新3部作はストーリーの時系列的には旧3部作以前の物語になります。おおまかにはダース・ベイダーの物語。
元は正義の心を持つ騎士だったアナキン(ダース・ベイダー)がなぜダークサイドへ転落したのかを描く悲しいストーリーです。


[episode1~ファントム・メナス] (1999) 監督/ジョージ・ルーカス

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導入部にあたるこの第1話はアナキンの少年時代を中心にすべての根源となる"フォースとは?"や"ジェダイの騎士の存在意義"が描かれています。主役が少年の為、活躍も制限されてしまいますが、他の豊富なキャラが捕捉していて十分楽しめます。CGもフル活用して旧3部作をも十分凌ぐ映像が作られています。タイトル通り見えざる敵、シスの存在が提示されこの後の悲劇を暗示させます。

ただダース・ベイダーがまだ存在していないんで強力な悪の象徴を何とか用意しなくてはと...

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ダース・モールはインパクトは大ですがストーリー的には残念なキャラです。もうちょうとキャラのバックボーンを見せれたら存在感が増したはずですが。

[episode2~クローンの攻撃] (2002) 監督/ジョージ・ルーカス

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アナキン青年時代の物語。青年期特有の葛藤と心境変化と時代の変わり目をシンクロさせて展開していきます。
旧3部作の世界の裏付けがこの第2話から少しずつ見えてきます。そうだったのか!と思わせてくれるんでファンにはうれしいです。

とくに帝国軍の原型であるクローン兵士が妙にかっこいい。

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王道シーンもたくさんあり、特にたくさんのジェダイ騎士の立ち回りが見れるシーンは興奮します。

アナキンという人物の性格や強さが凄く理解できる内容です。尊厳者という立場のジェダイが戦争行為に加担していることが正しい行為のように描写されているのは映画公開の前年に起きた9.11のテロ、その後のアメリカの行動にだぶって見えてしまいます。

[episode3~シスの復讐] (2005) 監督/ジョージ・ルーカス

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アナキンがダース・ベイダーとなる最終話です。ルーカスも最後とあってかなり気合入っている仕上がり。全体がダーク感に満ちている雰囲気ですが王道アクションは健在です。見所もたくさんあります。

オビワンVSグリーバス、ヨーダVS皇帝の名勝負のシーン。
そして焔の中の悲しい師弟の対決は圧巻。アナキンの心の叫びに感情移入してしまいます。アナキンの怒りとダークサイドの象徴の色"赤"が全体を支配した画面が凄く印象的でした。


アナキンが身を包む黒の衣装とのライトセーバーで彼がダークサイドに堕ちた事が見てとれます。その理由は非常に単純なものであり誰しもが普通に考える事です。自由を求める行為として行動するアナキンと残虐行為と結びつけるルーカスの演出には疑問はあります。ここにもアメリカ人的な発想が見えてしまうからです。いわゆるテロ行為です。もとはこういう展開では無かったかもしれませんが、運悪くあの事件が重なりルーカスの新たな解釈が加えられてしまったのかも。そういう意味ではあまりいい評価できません。

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でも新シリーズ中ではSF映画として一番見応えのある映画です。

僕の考える[STAR WARS]とは?

この全6話からなるスペースオペラは"キリスト教のおしえ"そのものと言えます。
ルーカスはこの世界(特に西欧)で一番有名な"聖書"の内容をモチーフにする事で共感できる映画としたと思います。


第1話から第3話のまとまりは"旧約聖書"にあたります。その中に登場する堕天使ルシファー。神々をも超越しようとしたルシファーは大天使ミカエルらによって天界を追放されてしまいます。ルシファー=アナキンでありミカエル=オビワン、神々=ジェダイと位置付けば話のおおよそは重なります。そうなるとヨーダ=ガブリエル、アミダラ=ラファエルに対応しているように見えます。
日本文化に精通していたルーカスはアミダラを"阿弥陀如来"をイメージしていたかも。仏教観も知っていたはずです。


そしてアダムとイブはミカエルによって地上へ導かれます。アダム=ルーク、イブ=レイアとしたならそれはラストシーンと重なります。

第4話から第6話のまとまりは"新約聖書"にあたります。混沌とした地上は帝国軍に支配されている銀河系であり、ジェダイの教えによって導かれたルークによりダース・ベイダーは救われます。これは罪びとが神に懺悔することで神の愛の力で救済されるというキリスト教の教えと重なります。

当初、ルーカスは全9話の構想でしたがある時期から全6作で完結と話しています。当然です。
新3部作が光から闇へ向かうものなら旧3部作は闇から光へ向かいます。継続はまた闇へ向かってしまうからです。


世紀の大ベストセラーをモチーフにしてSF世界を舞台に圧倒的な映像世界で再現されたこの映画は"現代の聖書"ともいえるんじゃないでしょうか。

ただ残念な事は新シリーズ公開時期と重なってしまったことでアメリカのテロに対する正義の主張が多少含まれてしまった事です。なぜなら旧シリーズでのルークたちの行動は国家に対するテロ行為そのものだからです。旧シリーズは平和を求める正しい行動と解釈できます。
作製年代の時代観のずれみたいなものを感じます。これが無ければ素晴らしい映画なのにとお思い終わりたいと思います。

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伝説のSF三部作

[STAR WARS episode1~6] PART2

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制作総指揮/ジョージ・ルーカス


[episode4~新たなる希望] (1977)  監督/ジョージ・ルーカス

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SFをベースにした壮大なおとぎ話を構想したのがジョージ・ルーカス。この映画が公開された時代の映画の流行は内省的な内容がメインとなるアメリカン・ニュー・シネマでした。SFの扱いが相当低いこの時代に敢えてこの映画を企画したルーカスさんを讃えたい。

ある意味"賭け"です。当たれば万歳ものだがコケればB級SF映画に成りうるものでしょう。絶対ヒットさせてやる!という執念はルーカスの設定や演出で大変よく解ります。あらゆるおもしろ要素を凝縮させた内容にもう一つSFに欠かせない"特撮"をどう見せるか?ここが安っぽければ結局B級だ!になってしまいます。ルーカスは多分この映画の8割以上はこの部分"特撮"に力を入れたと思います。

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完成した映画を見れば解りますが物凄い"特撮"です。実際にあらゆるミ二チュア模型などを駆使して撮影されました。CGなど無い時代にここまでの映像を完成させた努力は相当なものだったでしょう。

間違いなくこの映画はその後の映画に大きな影響を与えています。撮影技術の進歩、SF映画の価値観の変化、映画の音響効果....

ルーカスはすでにこの作品を全9作で完結する構想がありその中で最も映画化しやすく共感しやすい4話目を選択。結果、大ヒットします。もしコケていたならこのシリーズは存在していなかったでしょう。
[STAR WARS]全作品の中でBEST1をあげるならばこの[episode4~新たなる希望]しか考えられません。ここに全要素が含まれています。

[episode5~帝国の逆襲] (1980)  監督/アーヴィン・カーシュナー

前作の大ヒットで映画化され第5話の作品。

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前作と次作を繋げる役割を持つ作品です。ファンへの期待を裏切らない内容と進化した"特撮"さらに次作の為の伏線もしっかりはられています。新キャラも大量に登場してまさにファン泣かせの作品です。


さらにここで物語の最重要ポイント、ダース・ベイダーとルークのつながりが明かされます。ルークVSベイダーのシーンはファンには名シーンです。

結末は善対悪を引き分けにする事で次作への期待度を上げ、最終話を盛り上げていく展開を作りあげています。

[episode6~ジェダイの帰還] (1983)  監督/リチャード・マーカンド

全ての謎の決着をつける作品であり前期3部作の最後の作品。

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前2作がSFアクションがメインとしてテンポよく進むのに対してこの作品はメインキャラの心情が中心に物語は展開していきます。ストーリー上ここがあやふやになるとラストの大切なシーンの重みが薄くなってしまい前2作の必要性すら疑問になってしまいます。だから全体的には重たい感じがしますがちゃんと決着してくれています。

たくましく成長した主人公が悪を倒す勧善懲悪の内容に裏テーマの親子の絆も含まれたこの作品はファンの思いをしっかり表現してくれた素晴らしい映画です。


こうして見ると前期3部作はルーカスのアイデアとファンの期待が共に刺激し合いながら成長してきたシーリーズ映画の最高峰なのではないんでしょうか。

へたすればアイデアの詰め込みすぎで広がりまくった世界を収束させるのは困難です。しかしこの3部作がその状態に陥らないでいれたのはルーカスのしっかり作られていたシナリオがあったから。それがブレなかったからです。

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しかしルーカスはこれ以上の作品化は断念してしまいます。それは撮影技術の限界を感じたからです。
多分、作ろうと思えば出来たはずです。それを拒んだのは既存の技術をだらだら垂れ流して作るものに魅力を感じない。常に新しいものを作ろうとする製作者魂です。商業的には必ず成功する確信のあるものを棄てる勇気もたいしたものです。


その後、CGが生まれて映像は進化します。この技術に注目したルーカスは幻の続編制作への意欲をあらわします。がまだ生まれたばかりのCGを自分がものにするまでは着手しません。

前期3部作をこの技術を使用してまずリメイクします。いわば実験的です。この作業でCGの無限の可能性を見い出していよいよ新3部作にとりかかります。呆れるほどのこだわりですが、この位の情熱が無ければ映画なんて作れないというルーカスの信念や性格がよく解ります。

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それから16年という時を経て新シリーズ(episode1~3)は始まりました。次回へ。


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思い出の映画

[STAR WARS episode1~6] PART1

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制作総指揮/ジョージ・ルーカス


僕が見た初めての映画です。

小学生の低学年の頃、下校時に校門前で映画のチケットが配られていました。そこには見た事もない黒いマスクの男と光る剣をかざす若者が描かれていてよく解らないけど物凄く興味を持ちました。


家に帰ってそれを親に見せた時、そのチケットはタダ券では無く割引券と判明!仕方なく全財産のおこずかいをはたき、当時の友人と映画館に向かいました。

街に一軒ある映画館。ぼろぼろで汚い、しかも一般映画と成人映画の入り口が同じもので子供ながらに近づくべき場所じゃないと思っていた場所です。しかしそこで上映。初映画館デビューしました。


そもそも映画とは何かもよく解っていないんで入ればすぐ見れると思っていました。そうです。上映開始時間というものを知りませんでした。当然、[STAR WARS]なんかやってません。当時、当たり前のように映画は2本同時上映が主流。上映されていたのは[男はつらいよ]。しかもまだ中盤位で仕方なく1時間以上見るはめに....

[男はつらいよ]終了後、一目散に最前列へ!始まるまでの緊張感は初体験。どきどきが最高潮の瞬間、サイレンのような音と共に照明が消え幕が開きました。そしてあの有名なオープニング。映画とはこんなに凄いものなのか!テレビとは全然違う!

ここからは別世界です。次の驚きは字幕です。まだ低学年でろくに漢字も読めません。おまけに物凄い速さで切り替わります。
もう字幕しか見ていない状態。途中であきらめました。この時点で詳しいストーリー解りません。
でも映像は大迫力!小学生の大好物、宇宙、エイリアン、ロボット、宇宙船....十分です。


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この幼い頃の小さな冒険は映画の冒険ストーリーとシンクロしていて今でも鮮明に覚えています。
だから僕にとってこの映画は映画の楽しさを教えてくれた作品としてまったく別の存在でもあります。


大人になってリバイバル上映[episode4~6]があり、新シリーズスタート[episode1~3]とあの頃を思い出し再興奮しました。
当然見方も変わり、客観的に見たうえでこの映画がなぜこんなにも大人気映画として今も君臨しているのか?


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次回紹介したいと思います。

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心の痛む映画

[容疑者xの献身] (2008)

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監督/西谷弘 出演/福山雅治/堤真一/松雪泰子


監督はテレビドラマ版[ガリレオ]も手掛けていた西谷弘。同じ監督なのにまったく別物として制作されています。
映画タイトルに[ガリレオ]の表記が無いのもそういう意図があるからでしょう。

テレビのドラマシリーズのような派手な演出は一切無いんでガリレオファンにはもの足りないでしょうが、僕はこの[ガリレオ]のほうが好きです。


原作は東野圭吾の大ベストセラーです。

当然、主役は当然、湯川教授(福山雅治)。物理学の天才であり難事件の捜査協力はテレビ版とほぼ同様です。関わる事件の犯行動機には興味は無く、あくまで説明不可能な犯行を物理学的に証明することが第一という性格です。

福山雅治はそんなに演技がうまいとは言えませんが独特のくせのある演技があり、それがそのまま湯川教授のイメージ像を完成させています。でも今回は意識してそのイメージ像とは違う湯川教授を演技しているように見えます。
それは今回は科学で証明できない"愛"を証明しなくてはならないからです。これがこの映画のテーマだと言えます。


その湯川と対峙するのが数学の天才、石神(堤真一)です。暗く物静かなこの男は隣に住む母子家庭に起きた突発的殺人事件の隠ぺいの協力し、天才的な論理でアリバイを作成、捜査を行き詰まらせます。


捜査員の草薙(北村一輝)と内海(柴咲コウ)は湯川に捜査協力を要請しますが科学と無縁の難事件には興味はありません。しかし限りなく容疑者に近い人物、花岡靖子(松雪泰子)の隣人が大学時代の友人、石神であることを知るとこの事件に興味を持ち始めます。

この前半部分だけで「この映画はおもしろいかも」という期待値が跳ね上がりました。

捜査とは無関係に湯川は石神に接触。ただの親子に綿密なアリバイ計画は立てる事は不可能だが、天才の石神の協力したならば?という仮説をもとに石神の天才の能力を"リーマン予想の否定証明"を用いて検証。その能力に衰え無しを実証します。

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この"リーマン予想の証明"は数学界の最大の謎です。今から約150年前に発表され今だに証明されていない位の難問です。その否定証明のミスを6時間で見つけるとはまさに天才です。



湯川は内海と共に現場を再検証、そこから推理を展開します。しかし石神が関与する動機はわかりませんでした。



二度目の対面時に花岡の経営する弁当屋での石神の表情、初対面時の湯川の若さへの憧れから湯川は石神の花岡への恋心が事件関与の動機と睨みます。このあとの湯川の挑戦状のようなセリフに対する石神の何とも言えない表情、ここから二人の天才の戦いが始まります。


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ここが前半部の一番の見せ場です。二人とも素晴らしい演技です。

石神の巧みな指示で花岡親子のアリバイは崩せませんでした。捜査方針のやり直しが始まりますが、湯川の良き理解者である内海と草薙は湯川の推理を信じています。
この時点で石神の作る問題の証明は湯川には解けませんでした。


この完璧な問題に新たな要素が加わります。それは花岡靖子の知人の存在です。この辺の描写は石神の激しい嫉妬と花岡の恐怖を表して二人の信頼関係のひびわれかのように視聴者へ思わせます。

このあと、湯川はあるヒントから問題を見破ります。
そして三度目の対面。ここで湯川は石神のトリック証明をほのめかしますが語りません。

お互いの友情を信じる湯川に対して友達はいないと言い切る石神。
ここで石神の今までの人生がどんなに寂しいものだったのかが解るシーンで大切なセリフです。

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この時、石神に何等かの変化が生まれたのかもしれません。何かを悟ったような爽快感を見せています。ここで新たな要素を加えた新たな問題を完成させたんでしょう。

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石神は花岡に最後の指示(二通の手紙)をした後、自首します。全ては花岡へのストーカー行為が動機の殺人と供述。物的証拠や殺害方法はすべて合致します。これが石神が作った新問題。完璧に花岡親子を救う方法です。
劇中同様、映画を見ている側の思い込みの盲点をつく。びっくりしますね。でもこのトリックはこんなものではありません。のちに解る全容を知ればさらにびっくりします。


この時の湯川の落胆シーンはどういう感情だったのか?

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最初の問題は見破っていましたがこの新たな問題を作り湯川を混乱させる。
多分、湯川はそれほどまでの花岡親子を守る執念の根本は何なのか?科学的に解明出来ない形而上学的な問題に湯川が初めて取り組む事を決意する重要な場面と感じました。


また数学者としての石神の作ったこの問題はこの終わり方が一番美しい形だったのかもしれません。拘束中の笑顔から感じました。

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仮想ですが三度目の対面時までは石神は本気で嫉妬していたんではないかと。湯川の友情を知った石神は人が持つ愛情の意味を悟り、冷静に花岡という女性の存在を問いなおしたんではないかと。もし雪山での対面が無ければ石神は違う行動をしていたのかも知れません。だから石神にとっての湯川はある意味、最も美しい問題作成の大きなヒントを与えたのかも知れません。

第四の対面。取り調べ室でのシーン。

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ここで湯川は最初の問題の証明をします。そして石神の執念の真意を確かめようと試みます。
したたかにかわす石神。でもその会話に湯川への友情が見えてきます。唯一の友と思える存在を石神は感じます。



ではその執念の真意とは?花岡へ最後にあてた手紙の内容。
人生を捨て掛けた石神の隣に越してきた花岡親子とのささやかな触れ合いに生きる喜びを持てたこと、そしてその家族を救おうとする無償の愛こそが石神の動機です。自分の人生さえも犠牲にする、まさにタイトル通りの献身です。


ラストシーン。連行される石神の前に現れる花岡。

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彼女の自首するという事に絶句し、泣きふせる場面。この映画の最大の名シーン

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ここでの堤真一は演技を超えています。まさに石神自身になっています。あの"慟哭"は完璧に救えなかった自身へのくやしさと花岡の愛からこみあげる例えようのない涙です。この声を聞く湯川もまた唯一、石神のくやしさを理解できる人物です。

湯川には石神の無償の愛までは追究できていないと思います。ただ"深い愛"という事しか。

最後の場面、湯川と内海の会話。内海のセリフから湯川は石神の本当の真理に触れたのかもしれません。

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最後まで見てずっと心が痛くなり続けた映画としてとても記憶に残った映画でした。


動画:容疑者Xの献身
容疑者Xの献身

福山雅治の素晴らしいところはこの作品を理解し感じとって名曲、[最愛]を作った事です。実に深いです。


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なんで、つなぐのか?

[ムカデ人間]  (2010)

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監督/トム・シックス 出演/ディーター・ラーザー/北村昭博


タイトルを聞けば何の映画だ?と思うでしょうが、スプラッターのジャンルに属する映画です。
この手はあんまり見ないんですが斬新なタイトルに惹かれて怖いもの見たさに視聴してみました。


ストーリーはマッドな医者が自分の理想~人間を人工的につないでしまう~を実践してしまうというトンデモナイ内容です。

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そのつなげ方が凄い。医者が考えただけあってデタラメなつなぎ方ではなく、生活機能を保った合理的なつなぎ方です。

その実験体となる人間(男一人と女二人)にその手術の説明シーン。ここではふざけたイラストで真剣に話すマッドな医者に恐怖を凄く感じます。

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実際、手術シーンや結合部は大部分は控えめな描写です。思ったより残酷シーンは少ないと感じました。

多分、恐怖を感じる大部分はこの医者そのものだと感じました。多分、子供でも人としてそれはやったらダメでしょうという事を正当性を持って行っている人間性に恐怖を感じるんでしょう。

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でも違った視点、例えば人権や道徳感のない別世界が存在していてれば、このような研究もあったかもしれません。それは画期的なものでノーベル賞ものなのかもしれません。我々の世界とはまったく逆の世界が。たまたまこの医者がこっちの世界に生まれてしまったのかも。


かわいそうなムカデ人間に日本人俳優が抜擢されています。関西人のヤクザという設定です。劇中にあるセリフのほとんどを彼が考えたものらしく、それは見れば納得できます。脚本には書けないセリフですから。随所に日本テイストがあり日本人には楽しめる映画です。

この映画の続編が7月に日本公開されます。今度はつなぐ人の数が12人!しかも残酷シーンももりだくさん!
スプラッター好きを納得させるものらしいです。それよりあのふざけたイラストのグッズ化はどうかな?とは思いますが。






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最後まで一気に見てしまう!

[キサラギ]  (2007)

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監督/佐藤祐市 脚本/古沢良太

出演/小栗旬/ユースケ・サンタマリア/小出恵介/塚地武雅/香川照之


この映画の出演している役者さんは上の5人しかありません。しかも1セットのみの撮影。
一年前に亡くなったアイドルの死の真相に5人のアイドルおたくが推理していくワンシチュエーションサスペンス。


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感想はストレートにおもしろい。いい脚本といい役者が揃えばこんなに良いものが作れるんですね。

古沢良太もこのワンシチュエーションの設定はいつか書きたかったというように練りに練った脚本は素晴らしいものがあります。

一癖も二癖もある4人のキャラと話の廻し役に小栗旬

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この5人の絶妙な掛け合いが映画の核です。まるで芝居を見てるよう。

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小栗旬以外はあくの強い演技で見てるほうはぐいぐい引き込まれていきます。でも小栗旬も後半、見せ場があります。

ストーリーを話すともったいないんで触れません。

しかしどうやって撮影したんでしょうかね。本気の芝居のように通しで演じたものを何テイクか撮って編集したのか、その中のベストテイクを使用したのかこのライブ感はぶつ切りテイクではできないような気がします。

随所に小ネタもあるなかなか憎い演出や無理やりぶち込むCG、最後にはどんでん返しと、おもしろいと思うアイデアをすべて掘り込んできます。そのチープ感も笑えます。

僕が好きなキャラは香川照之

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今や歌舞伎界の人となった方がこんな役してるのかという驚きと役者の心意気を感じ拍手ものですよ!

人にすすめたくなる邦画のNO.1の作品でしょうね。


[高画質で再生]

【映画】キサラギ(2007) []


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男の夢

[モ・テ・キ] (2011)

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監督/大根仁 出演/森山未來/長澤まさみ/麻生久美子


ドラマから発展して映画化のパターンの中では残念な映画が多い中、この作品はとても面白い映画のひとつです。

その理由は解りやすい内容に好きな役者の多さ、センスのいい音楽にニヤッとさせるユーモア感。最近の邦画は大金かけて作る大作よりもこの位の感じの邦画のほうがおもしろいものがたくさんあります。

男にならどんな人でも一度は体験するモテ期。ずっとモテ期な人もいれば周期的に来る人、リア充でない人もSNS上では神的にモテまくる人などその形は様々です。

ネット依存でサブカル好きの童貞、典型的なおたく野郎、藤本幸世は森山未來が演じています。好演です。

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おたくな男がリア充的に恋愛していく様は男の僕が見ていてもイラッとさせたりニヤッとさせたりさせます。

その幸世の心情は"2chの世界"の言葉を多用していちいち説明されたり、ツィッターを利用したり音楽で表現されたりとネット住民の心をくすぐる仕掛けもおもしろいです。

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とくに選曲がいいです。情けないときは♪格好悪い振られ方、楽しいときは♪Baby Crusing Love、悲しいときは♪東京などセンスいい!

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それに加えて松尾みゆき役の長澤まさみの熱演!

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大作でもないのに体を張っての演技は彼女の清純のイメージをぶち壊して新たな魅力を開いています。しかも呆れるほどかわいい。これを見るだけでも価値ありの映画です。

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必見は"TENGA Tシャツ"。これよく着ましたね。
ところで"TENGA"は世紀の大発明品です。男子専用ですが。


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モテ期なんで関わる女子は一人ではありません。

あと三人の美人女優がいます。僕の一押し、麻生久美子は見せ場があります。


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幸世にふられて泣きじゃくるシーン。僕なら迷わず彼女を選びますけど。

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ラストは幸世の一途?な思いがどうなるか。は見てのお楽しみで!

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とにかく何も考えなくても楽しめる映画です。

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家庭を持つのは大変。

[アメリカン・ビューティー]  (1999)

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監督/サム・メンデス 出演/ケヴィン・スペイシー/アネット・ベニング


アメリカの家庭のイメージは....

厳格なクリスチャンであり、家には家族写真が飾られ、週末はパーティーが開かれる。幸せで平凡なアメリカの家族像。映画やドラマでほんとによく見かける光景です。

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この映画はそのイメージをぶち壊すリアル家族の物語。


タイトルからして皮肉たっぷりのアカデミー賞、作品賞受賞作品です。

二つの見かけ幸せ家族が物語の舞台であり、映画はその中に生きる家族の個人個人を考え方や生き方を見せていきますが話の展開は実にアメリカらしいです。しかし監督はイギリス人。

話の中心はレスター(ケヴィン・スペイシー)ですが登場人物それぞれに悩みを抱えています。

だめ亭主のレスターは娘の友人への欲情で覚醒します。ただその女の子とヤリたい淫らな目標から彼は一変、充実した毎日が始まります。

ビューティー (5)

なんとなく気持ちは解らない事ありません。若い女性と知り合いになれば男ならテンション上がりますがそれが娘の友人となると変態扱いされてしまいます。ただこの友人は確かに魅力的です。

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内容は決して明るくないのに何故か暗さを感じません。それはレスターの馬鹿馬鹿しいほどの頑張りがなぜか共感できてしまうからかも。

この映画にはアメリカ映画にかかせないSEXドラッグゲイがしっかりあります。

まあ日本のホームドラマには間違いなく登場しないものです。しかしこの三つはアメリカの歴史なんでしょうか。もう普通に生活に溶け込んでいるんでしょうね。

普通に亭主がロリコンで妻は不倫。隣の亭主は隠れゲイ、その息子は人見知りの売人。ありえない家庭がアメリカには存在しているんです。
そんなややこしいふたつの家族は次第に関わっていきます。


物語はレスターの若返ったような生き生きした生活に反比例して結末はです。

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アメリカでは大ヒットしたらしいですがこの映画を見た当のアメリカの人々はどんな気持ちで見てたんでしょう。やっぱり「うちは関係ないし」みたいに客観的に見てたんでしょうね。ロリコンの人も、ドラッグ漬けも、ゲイの方もみんな。

何でも自由を尊重する国アメリカにはヨーロッパやアジアの国々みたいな長い伝統や歴史もありません。でも物凄い進化で成長し今では世界のリーダーに君臨しています。その地位は譲ることはできないんでしょう。

でも国の根本は国民にありその底辺の集団は家族です。

アメリカという国の成長スピードにアメリカ国民というプライドも共なって必死についていけばいくほど家族という集団は薄っぺらいもんになるんでしょう。家族には長い歴史が必要と思います。まだまだ200年足らずの国ですから。

この映画を客観的に見れるのはあと数年かも。日本もだいぶおかしな事になってきてますから。

テーマ : 映画レビュー    ジャンル : 映画

また何年後かに見たいです。

[レナードの朝] (1990) PART2

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この映画は実話を元に作られた作品ですが、それは監督スタッフが実話からインスパイアされた内容を映画化したフィクションです。

もう一人の主役、セイヤー医師をロビン・ウィリアムズが演じています。

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この医師は元々は研究家であり臨床の医師の経験はありませんでした。性格も人付き合いの苦手なおとなしいタイプの人間です。
それは前半部を見れば解ると思います。人よりも科学のほうに興味があります。


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しかしある患者の反応からこれらの患者が別の病気ではないのか?という疑問が起きます。研究家魂に火がついて"嗜眠性脳炎"にたどりつきます。さらに有効かもしれない薬"ドーパミン"を見つけます。

しかし医師としてレナードへの薬投与は間違いです。

副作用の症例が解らない薬の使用は疑問です。
セイヤー医師が長年、臨床の医師をしていたならこの薬は使用しなかったでしょう。

しかし研究家の考え方なら使用は理解できます。実験から結果を得る事の繰り返しで答えを導くからです。
いわば人体実験です。

セイヤー医師は患者やその家族と触れ合っていくうちに感情にまかせて投与する決断をするシーンは映画では美化されています。それは全体を通して貫かれていますが、作り手側からそこは触れないグレーの部分だからでしょう。


突然の回復をしたレナードとの会話シーンやその後の交流から二人には医師と患者から友人関係にも発展していきます。

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それは薬の過剰投与に繋がります。

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結果"何もない世界"に戻っていきます。

唯一の救いはこのセイヤー医師をロビン・ウィリアムズが演じたこと。過剰な演技が売りの役者なら医師の行動は正しいとか受けとられがちになりますが、不器用な人間を演じるのがうまいロビン・ウィリアムズを起用したのは成功と思います。

その象徴的シーンはレナードの記録フィルムを見るシーンです。あの顔は自分の才能の評価か?または行き過ぎた行動なのか?自分に問いているように見えます。あのシーンが無ければきれいごとでまとめられた映画になったでしょう。

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最後のシーン、セイヤー医師がそれまで影で支え続けた看護婦エレノアを誘うシーン。それとレナードの痙攣が止まるダンスシーンはリンクしています。

レナードは医師の力で元の状態へ戻り恋をします。彼女に触れた時に痙攣が止まるのは薬によるもではありません。自らの体から生じたドーパミンです。その瞬間は間違いなく生きています。

それまで人と関わる事のない不器用なセイヤー医師がエレノアを誘うのもレナードの治療で知る"その瞬間の生きてる実感"からです。

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お互いは友情から得たものは"その瞬間の生きてる実感"です。これがこの映画のテーマです。


残念なのは実話からというフレコミです。ならこの医師の行動の良し悪しははっきり見せるべきと思います。
完全フィクションならばもっと名作にもなれたのに。


これでうまく伝えられたかはよく解りません。また何年かたってからうまく伝えてみたい映画です。


[高画質で再生]

映画「AWAKENINGS」(レナードの朝)字幕 [SEO]

テーマ : 心に残る映画    ジャンル : 映画

久しぶりに正統派な映画を

[レナードの朝]  (1990) PART1

れ

監督/ペニー・マーシャル 出演/ロバート・デ・ニーロ/ロビン・ウィリアムズ


この映画は十年位前に友人に勧められましたが見るタイミングを逃してしまい、それから何年かたってレンタル屋で見つけました。
見た後、あの時見とけば良かったと後悔した思い出があります。
決して派手な作品ではなくどちらかというと地味ですが非常に優しい映画で名作だと思います。

実話に基づくストーリーですが実話とは思えない内容に初めて見る人はびっくりします。僕もびっくりしました。

この映画は主人公が二人います。難病に取り組む医師とその患者。
この二人の主人公の友情の物語。

全体として見ても十分感動できる映画ですがそれぞれの二人の側から見ればさらに深く感動できると思います。

まず患者の側の主役、レナードはロバート・デ・ニーロが演じています。

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映画はレナードの少年時代の病気の発症から療養生活、医師と出会い驚異の回復~副作用による元の状態へという過程が描かれています。

この病気の原因はまったく不明でありその症状から精神分裂症のひとつではないかと思われていました。あるきっかけにその難病は嗜眠性脳炎という病名であり、治療薬としてドーパミン投与が有効かも知れない推測から医師はレナードに投与していきます。

デ・ニーロは病気の状態(いわゆる精神病患者のような)から普通の社会生活状態そして副作用から元の状態へ戻る過程を演じています。

これは見事です。というかよく演じたなと。

普通の役者ならば病気からの回復という演技はよく見かけますが、その先副作用から元へ戻る演技は見ていて痛々しいほど胸に伝わります。並の役者では出来るものではありません。

デ・ニーロの演技はどの場面で見ても印象的です。

病気から回復した時の表情や、楽しくて仕方のない毎日、恋に落ちた時。

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そして自分の病気との葛藤。

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極め付けの名場面。恋する人との別れのシーン。

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ここまでの演技はこのシーンの完成の為にあると僕は思います。

素晴らしく泣ける、今まで見た映画の中では一番といえます。

ダンスしている最中に一瞬止まる痙攣。ここにこの映画の伝えたい事が詰まっています。

いちいちセリフにしないと視聴者に伝わらないような感動作よりたったひとつの小さな演技で伝えられる映画こそが魅力をもつ映画であり、そんな演技が出来る役者こそが名優だと思います。

彼はこの後"何もない世界"に戻ります。

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でも以前のように知らないうちにではありません。全て理解したうえで戻るのです。その過程を記録する。全てはセイヤー医師との友情です。

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デ・ニーロはギャングのボスや殺し屋だけで名優なのではありません。

次回はセイヤー医師(ロビン・ウィリアムズ)の側から見た[レナードの朝]はどういう感じなのか紹介します。

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最凶の悪人

[ダークナイト] (2008) PART2

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前回、ジョーカー心の操作について書きましたが、それではバットマンはどうでしょうか?

バットマン(クリスチャン・ベール)も定義通りのヒーローです。さらに彼なりのルールもあります。夜のみ行動して、決して悪人でも人殺しはしません。あくまで警察への協力者の立場で行動します。

正体は大金持ちのボンボンです。なぜ正義の味方になったのか?はこの前作[ビニギング]で触れられています。その財力でとんでもない武器すら容易に作ります。

いわゆる世間に認められた非公認の警察官みたいなものです。

もう一方、ハービー・デント(アーロン・エッカート)という地方検事の活躍も描かれます。こちらは法律という武器で悪と対峙する公認のヒーローです。

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街をパニックにして攪乱するジョーカーはデントも巻き込んでいきます。バットマンとデント、警察の三者の協力でジョーカー捕捉に成功しますが彼の目的は警察の崩壊です。街の治安部の破壊でさらにパニックへと誘います。

ここでのバットマンジョーカーの問答は象徴的なシーンでもあります。

バットマン自身の存在が凶悪の源であり、ジョーカー自身と同類であると説きバットマンの心を揺さぶります。

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正義のヒーローが悪者の言葉で苦悩します。こんな事ヒーロー物にはありません。その結果、非正規な手段まで利用してジョーカーと対峙します。

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さらにデントには彼女の殺害から人の信用なんかなく裏切りに満ちていると説き、悪へと誘います。
その結果、デントは悪人トゥーフェイスになります。正義の検事が堕ちてしまいます。


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ある意味、ジョーカーの思い通りの展開になります。ジョーカー自身はバットマンが自分のルールに従うなら殺される事もないし、例え殺されてもバットマンのルールは崩れ、人々の批判も更に増幅させることができます。さらに検事も殺人鬼にしてしまいました。

これでもかと言わんばかりに仕掛けてくるジョーカー恐怖そのものです。この悪役っぷりはそれまでのジャック・ニコルソン版ジョーカーを超えてます。

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結局、バットマン自身がヒーローである事を全否定して警察に追われる身になることで物語は終幕します。

決して気持ちの良い終わり方ではありませんが、ただのヒーロー物にはしない映画とした監督のコンセプトは貫かれています。

そうこの映画にはヒーローはいませんでした。

ラストシーンでのジョーカーに対するットマンのあきらめの表情はヒーローがしてはいけない顔です。

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この問題作の続編は一切ストーリーは伏せられていて予告しか見れませんが、このバットマンがどうなったのか?はもの凄く興味があります。来月、見に行きます。

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新作公開間近の映画

[ダークナイト] (2008)

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監督/クリストファー・ノーラン 出演/クリスチャン・ベール/ヒース・レジャー/アーロン・エッカート


来月に公開が始まるバットマンの新作を期待してその前作であり問題作であるこの映画を紹介しましょう。

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アクションヒーロー物には絶対的なきまりがあります。"勧善懲悪"の理念です。

間違いない正義のヒーローと間違いのないが対決して絶対に正義が勝利するという定義はブレる事はありません。
登場する正義のヒーローは世間が受け入れやすく見た目もよくなければいけません。対する悪者は見た目から悪く隙のない悪の心をもつものでなければなりません。

ヒーロー絶対正義の為、人間がベースとなり負けることない凄い力や武器は最低限必要になります。

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対する悪者絶対悪の為、怪獣や怪人等の人の心を持たないものがベストですが最近の傾向では悪の心を持つ人間(テロリスト等)もヒーローと同等の力を持つ武器を駆使すれば十分、敵となりうる存在になります。動機は世界支配、金、などの欲望成就となります。

長くなりましたがこれらがベースのヒーロー物の定義の矛盾をつく映画がこの[ダークナイト]と思います。

アメリカの絶対ヒーロー"バットマン"がベースですがタイトルにはその名もなく最初から終わりまでタイトル通りのイメージを貫いています。これはこの映画にヒーローはいないという暗示にも思えます。


そこそこ長い映画なのにこのイメージをだらけさせる事なく最後まで飽きません。これは制作スタッフや演者の力です。ジャンルはヒーロー物ですが立派な大人向けアクション映画の名作です。

この映画に登場する絶対悪ジョーカー(ヒース・レジャー)でこの映画の主人公といっても問題ありません。

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ジョーカーの目的は世界を恐怖が支配する混沌の世界を導く事でこの世界を支配する事ではありません。だから地位や名誉も関係ありません。

人の理性で抑えつけている悪の心を解放すれば人の力で世界は勝手に混沌の世界になる事をジョーカーは知っています。たいした武器などは必要いりません。彼の最強の武器は心の操作です。

よくよく考えたら心の操作究極の武器です。良い方へ導けば平和な世界へ。悪い方へ導けば混沌の世界へ。核兵器も使用するのは人間です。その人の心さえ操れば絶滅させることも、発射することも可能です。

欲望を持たない、ただの導き人であるジョーカーのような定義外の悪者に定義に収まるヒーローの対決は成り立たないんです。

彼は人の心の変化が起きる状況を作り傍観することを繰り返し起こしていき人の心の変化を導きます。そうバットマンに対する人の心を変えてしまう、言い換えれば正義のヒーローの存在は悪を増幅させているんじゃないか?と心を操作します。

最強のヒーローに敵対する悪者はますます凶悪化していき、死人もますます増大している現実を人に解らせる事でヒーローの概念は正義ではなく迷惑というように変化します。

ヒーロー物では目をつぶるべき矛盾をついています。

客観的にヒーロー物批判の映画なら解りますが、ヒーロー物映画の中でこの矛盾の指摘をするこの作品は斬新すぎます。

このジョーカーバットマンはどう対応していくかは次回へ。

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キューブリックの世界

[シャイニング] (1980)

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監督/スタンリー・キューブリック 出演/ジャック・ニコルソン/シェリー・デュヴァル/ダニー・ロイド


誰もが知っているあの狂気の形相のパッケージ。ホラー映画としてあまりにも有名な作品です。

原作はスティーヴン・キング。あの名作、[ショーシャクソンの空に]や[グリーンマイル]の作者です。

監督はスタンリー・キューブリック。僕の大好きな監督で人間の狂気な様を映像化させる事にかけては一番でしょう。
また自身の作品は完全プロディース主義でも有名で、当然この作品も独自の解釈を優先させた為、原作者と大変もめた経緯があります。

僕は特に[時計仕掛けのオレンジ]が好きですが紹介はまた今後したいと思います。

小説の映画化は、出来るだけ原作を忠実にしたものと原作とはまったく異なるものとがありますが、この映画は後者の最たるもので、まさにキューブリック[シャイニング]になっています。スティーヴン・キングが怒るのも頷けますが映像化する為のキューブリックの才能はとても重要であったと思います。現に大ヒットしました。

ストーリーはある親子が冬の間休業中のホテルの管理人の仕事を請け負いますが、そのホテルで恐怖の体験をするという話です。

主役のジャック・トランス(家族の父親)役は怪優ジャック・ニコルソン

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スティーヴン・キングのイメージではなく反対したそうですがキューブリック[シャイニング]のイメージはこの人だったんでしょう。
ジャックが変化していく演技はさすがにジャック・ニコルソン、素晴らしい。形相の変化は圧巻です。

この映画の大きな特徴は映像の使い方と思います。

よくあるホラー映画のように徐々に恐怖を煽っていく演出も使いつつ、時折映るサブリミナルなシーン。

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客観的に見せるよりも主観的に見せるカメラの動き。

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一番凄いと思うのはホテル内の映像。

常に人間を中心にしてシメントリーに撮影されています。

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これはホテル自体が圧倒的な巨悪の存在であり、ジャックはその手下でしかない存在と解ります。怖いというよりも不気味です。

クライマックスに進むにつれ、ホテルはお化け屋敷化していき、ジャックは殺人鬼に変貌します。

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本来の原作は息子ダニーの持つ不思議な能力"シャイニング"を駆使して恐怖と対峙するものと思いますが映画ではこの能力は予知的な形でしか使用されません。
最終的には自力で対峙します。このへんも原作者の納得いかない点でしょう。
ジャックの最後も当然違った最後に替えられています。まあ、これだけ違うものにしてしまうのならオリジナルで制作してもよかったと思います。

また監督の意向でカットされた幻のラストシーンがあります。現行のDVDでは見る事が出来ません。内容は知っていますがここでは書きません。興味があればネットで調べれば解ると思います。

世間一般受けする映画しか作れない監督もたくさんいて名作もありますがキューブリックみたいに個性や主張を自己中的に表現する監督の映画のほうが僕は魅力的に感じます。


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パチンコ勝負!!

[カイジ2 人生奪回ゲーム] (2011)

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監督/佐藤東弥 出演/藤原竜也/吉高由里子/伊勢谷友介



前作[カイジ 人生逆転ゲーム]の続編。

カイジ(藤原竜也)が再び、堕落して地下労働施設で生活しているところから始まります。

本編のメインストーリーは原作でもとてもおもしろかった"沼編"がメインで、やや設定は変更されています。
裏カジノの支配人、一条(伊勢谷友介)が今回の敵であり、勝負は"沼"と呼ばれる難航不落のパチンコ台です。

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この無茶苦茶なパチンコ台は100%出ない仕掛けがいくつも有り、それを操作し管理するのが一条です。前回の強敵、利根川(香川照之)のような圧倒的威圧感はありません。嫌らしいさやずるさが売りのキャラで、伊勢谷友介の悪役はなかなかです。

圧倒的不利なカイジには今回協力者がいます。確かにこんなの一人で攻略できるわけありません。

みじめな過去を持つ坂崎(生瀬勝久)、前回カイジに負けて落ちぶれた利根川、今回の映画の重要キャラである石田裕美(吉高由里子)の3人。
この4人がありえないような攻略法で勝負に挑みます。


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この"沼"はパチンコ台の分類でいわゆる"一発台"といわれるもので、ある特定の箇所に玉が入れば大当たりという凄く単純なもので、フィーバーよりもギャンブル性の高い代物です。

当時、高校生の僕はなけなしのバイト代を握りしめて朝一からこの"一発台"に勝負を挑みほぼ撃沈でした。

この台は釘調整や台の寝かせ(微妙な傾き)でまったく出方が変わります。お店の思うツボです。

こんなギャンブル性の高い代物は現在規制されてホールにはありません。そんなもんの最強バージョンがこの"沼"です。

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この種の台を使うところが"カイジ"らしいですね。人のより激しいギャンブル性を求める性質にはぴったりの機種です。当然、作品中でもたくさんの人間の金を吸いまくっています。

相手が機械なんで前回のような心理戦ではありません。だからどうやって攻略していくかの過程が今回の見どころです。
でも作者は心理戦が大好きなんで原作にはない"姫と奴隷"というゲームも用意されてます。これも人の心の嫌な部分が露出するいやらしい内容のものです。
これは原作にない追加された新たなゲームです。

常識破りのやり方と妙に理にかなったやり方で攻略していくのは単純におもしろいです。しかしまあこのエピソードを映画にするのは当然でしょう。難解な心理のやりとりよりも解りやすいからです。

後半には一条の弱々しい部分が露出してきて、まるで"沼"は擬人化した悪魔のように見えてきます。

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今後、カイジの続編がもしあるならどうなるんでしょうか?残されたエピソードは映画には不向きなものばかりです。まったく新たな設定のゲームを考えるか、原作に忠実にいくか、まあヒット狙いのしょうもないパート3だけはやめて欲しいところです。


動画:kaiji2

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アクションバイオレンス?

[デス・プルーフ] (2007)

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監督/クエンティン・タランティーノ 出演/カート・ラッセル


タランティーノ監督の嗜好を詰め込んだ作品なんで、監督好きならハマるけど興味ないなら見ない事をすすめます。

以前、紹介した[レザアボドックス]同様、特筆するストーリーはありません。アクションバイオレンス仕様ですがそこもたいしてこだわりを感じません。その要素を使うほうが監督の嗜好を描写しやすいからでしょう

基本は監督がおもしろければ良し、興味ないなら見なくていいよ!というスタンスで映画製作し続ける姿勢はブレてません。

アメリカの70年代から80年代頃のB級映画風のフィルム加工なんかカッコイイです。(突然切れたり、モノクロになったりと...)
怪しい雰囲気のオープニングで始まりますが映画の大半はギャルのガールズトークです。


殺人マシーンを操るスタントマン・マイク(カート・ラッセル)も筋金入りの凶悪犯ではなく度が過ぎる悪乗りのおっさんです。

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だから重い作品に見えて実は少しも重くない軽い感じに仕上がってます。タランティーノ映画特有のエグイ殺人シーンはありますが。


お気に入りは女優陣のエロさ加減とアメ車の数々。

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特に武骨なアメ車は現代の洗練された車よりも魅力を感じます。早ければ見た目はどうでもいいという感じです。

さらっと終わるエンディングの爽快感や使用される音楽のセンスの良さ。
この監督の映画サントラはそれだけでも十分よく出来ています。


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これからもブレる事なく意味ない映画をどんどん作って欲しいです。期待してます。

[高画質で再生]

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謎だらけのラストシーン

[野獣死すべし]  (1980) PART3

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ここから終盤。洞窟のシーンから問題のラストシーンへ。

松田優作の一人芝居のボルテージは上がります。

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トリップ中の伊達は夢中で戦地の悲惨な思い出を語っています。

その間、夢中で死体の写真を撮り続けています。この矛盾な行動。

この間に悲惨な写真のカットイン。

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演劇のような演出と映画の編集の演出がミックスされたこの不思議なシーンのせいで尚いっそう伊達の不気味さが増していき、とどめの「天上天下唯一独尊のポース。しかも逆手で表現しています。

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これは指示演出か?アドリブか?どっちにしろたまげた演技です。何を意味してのポーズなんでしょうか。

僕の勝手な解釈はインテリ人間がニーチェの思想を原体験、検証した結果、彼の有名な"善悪の彼岸"を実証した象徴か?または「天上天下唯一独尊」の誤訳の正統性か?謎めいた演技はおもしろいです。

ここで演劇は終わります。ここから問題のラストシーン

クラシックコンサートの間に眠ってしまう伊達
目が覚めると誰もいません。そうあの"リップバーンの話"と同じ状況。

そして奇声を二発。

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外に出ると銃声!

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殺したはずの柏木が現れ、ぶっ倒れる伊達。

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俯瞰の乱れた映像。

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エンドロール。

謎だらけです。洞窟シーンで終われる事も出来たのになんでこのシーンがラストにあるのか?

このシーンの解釈はいろんな意見があってそれぞれ納得出来たり、出来なかったりといろいろです。

僕も勝手な解釈をするとこの映画は道徳教育の為の架空の話でこんな間違った考えの人間は最後には抹殺されますよ。(タイトル通り)
というニーチェが言うところの絶対多数側の信仰の道徳のおしつけする教育ビデオを見せられた感じ(最後の粗い映像はフィルムの切れ目みたいな)です。

それを異端側を敢えて美化することで世間の道徳を皮肉った映画かなと。かなり斜めな解釈ですけど。
まあ、一般的には夢オチという見方でつじつまがあうんですけど、今回はニーチェにこだわったんでこんな解釈になりました。

すでに30年たってもこうしていろんな見方が出来るこの映画は傑作であり、松田優作は名優であるというのは絶対多数と思いますが。


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