HEADmans' 勝手におすすめ~邦画、洋画

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日本映画屈指の名優

[野獣死すべし]  (1980) PART1

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監督/村川透 出演/松田優作/小林麻美/室田日出男/鹿賀丈史


日本の名優、松田優作の代表作の一つです。原作はハードボイルド小説で有名な大林春彦

~制作裏話~

松田優作といえばすでにアクションスターとしての地位を確立していてこの映画もその路線に沿って企画されたと思われます。
しかしこの制作意図を裏切り、松田優作自身が確立した伊達邦彦が誕生します。
その大きな変化は優作のそれまでの作品を見れば一目瞭然です。この明らかに弱そうで不気味なキャラを思いついたのは優作本人です。

野獣 (3)

すでにこの原作は何度も映画化されていて、それは原作を忠実に再現したものでその主人公のキャラはある程度確立されていました。優作はそのイメージを払しょくする新たなキャラをイメージして既存のアクション映画ではなく新たなアクション映画を作る考えでした。

その不気味なキャラの確立の過程は脚本家の丸山昇一と飲みの席で見かけたカメラがきっかけだそうです。
飲み代の質として預けられたそのカメラは戦争カメラマンのもので、頭がおかしくなって消えたそうです。そのカメラマンがファインダー越しに見た狂気の世界は精神崩壊するくらい恐ろしい惨状だったんでしょう。

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そこから優作はヒントを得て、精神崩壊した人間=伊達邦彦を完成させました。そしてそのキャラの背景をもとに丸山昇一は脚本を作成。こうして新たな[野獣死すべし]は誕生しました。

この大幅な変更に大林春彦や制作会社も大激怒したそうです。その他のスタッフも見えてこない新たなアクション映画かなり動揺したらしいですが優作主導で撮影は始まりました。

これらの話を知った時は衝撃的でした。こんなの今の時代では作れないでしょう。
役者のエゴむき出しの一人芝居であり非倫理的な内容は現代日本ならば受け入れられません。放送倫理に基づいて作られる今の映画は国民総監視員のダメだしに細心の注意を置きます。その枠からはみ出すメディアはやネットで中傷の的です。
こんな挑戦的作品も受け入れる環境がなければ、日本の映画はますますおもしろくなくなると思います。

冒頭15分程度でこの伊達邦彦が"普通ではない人"がわかります。しかしまだ未熟な狂人です。
殺人やピストル強奪はほぼ衝動的で武器を手に入れた自分に対して恍惚に浸っています。この伊達邦彦の表情はあまりに危険すぎてテレビでは流せない位、衝撃です。

野獣 (10)

しかし、もう一人の伊達邦彦はクラシックに涙する繊細な心を持つインテリ青年。この時点では二面性のある性格の持ち主でまだ理性は存在しています。

野獣 (11)

最近、気付いたんですけど、冒頭の優作の衣装やしぐさと以前紹介した[まほろ駅前]の松田龍平はとてもそっくりです。この映画からインスパイアされた気がしますが、どうでしょうか?

裸の女の自慰行為をうつろな目で眺める伊達。でもその目は女をとらえていません。

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虚無の世界を見ています。

野獣 (2)

バックで朗読される萩原朔太郎漂泊者の歌

ニヒリズムに傾倒する萩原 朔太郎の詩自慰行為伊達。この三者はリンクしているんじゃないか。
その根源はニーチェの思想ではないかと。


武器を手に入れることで得た快感の欲望はさらに大きくなり"使用する"という衝動が起こります。
本来持つ冷静な性格から銀行の綿密な調査を行います。が、刑事の柏木(室田日出男)にマークされている事を知ります。まだ善悪の判断は出来ています。

大学の仲間と会うシーンで伊達の過去が解ります。無口でニーチェを完読し、射撃の経験を持ち、卒業後は戦地カメラマンをしていたと。

彼は以前は普通に人でしたが帰国後は豹変しています。そのきっかけは何なのか?これがこの映画の大きなテーマだと感じます。

この席で伊達は真田という人間を見つけます。

真田(鹿賀丈史)はまさにそれまでの優作の演じていた肉体が放つ狂気を持つキャラそのものです。

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この単純で無知な男の心理を操り共犯者にしようと企みます。闇で入手した銃で売人を殺すシーンに冒頭のようなビビり感は無くなり狂気さは高みを増してきています。

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クラシックのコンサートで以前から顔見知りの華田令子(小林麻美)の異性としての好意を感じた伊達はこの映画で唯一、葛藤するシーンがあります。

野獣

スピーカーの前でうずくまる伊達


野獣 (8)

この一瞬、彼は狂気の心から逃れるチャンスだったかもしれません。

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この作品のBGMはクラシックを主に使用していて、それは伊達の心情に呼応したかのような選曲です。

ここまでの松田優作の演技は狂人が覚醒するまでの心情変化をほとんど目の動きのみでしています。セリフにも感情は一切含まれず機械のようです。

中盤からラストにかけての松田優作伊達がどう変化し、そして覚醒するかは次回へ。
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テーマ : 心に残る映画    ジャンル : 映画


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